2011年3月11日午後2時46分、東日本大震災が発生。マグニチュード9.0という巨大地震、そして大津波という未曾有の災害が東北地方を襲いました。大震災では、太平洋沿岸の火力発電所をはじめ、送電、変電、配電に至る当社の多くの設備が甚大な被害を受け、地震直後にはお客さまの約7割に当たる約486万戸で停電となりました。そのような中、当社社員は「一刻も早く、電気をお届けしたい」との使命感のもと、地震直後から停電の解消に向けて全力を尽くし、震災から5日後には9割以上のご家庭に、約2ヶ月後には送電可能なすべての地域の停電解消を成し遂げることができました。
また、震源から一番近い原子力発電所だったものの、安全に停止した女川原子力発電所には、震災直後から津波で行き場を失った周辺住民の方々の避難所として活用され、避難した方々は最大で364名、避難していた期間は長い方で約3か月にも及びました。
震災から10年以上が経ちましたが、震災経験を風化させることなく、備えを磨き上げていくことが私たちの責務です。これからもこの地に住む誰もが昨日と同じように笑い合い、明日も明後日も幸せな普通を過ごせるように、私たちは今日も地域を支えます。
地域が有する豊かな水資源を活用した水力発電からはじまった東北・新潟の電力の礎。豊かな自然を守り、未来へつなげるために、水・太陽光・大地・風の自然の恵みをエネルギーに変える。
私たちは2050年のカーボンニュートラル達成に向け、2030年度のCO2排出量を半減(2013年度比)させることを当面の目標として取り組みを続けています。
そのために「再生可能エネルギーと原子力の最大限活用」、「火力電源の脱炭素化」、「電化とスマート社会の実現」の3つの柱を中心に排出削減を行い、カーボンニュートラル社会の実現を目指しています。
東北電力グループが目指すありたい姿“スマート社会“とは「地域の皆さまが快適・安全・安心なくらしを実感できる社会」。
人口減少や過疎化など社会課題が顕在化する東北・新潟において、東北電力グループが果たすべき使命は、電気・エネルギーを中心とした事業展開を通じて、電力のプロフェッショナルとして安定的に電力を供給するとともに、電力を始めとしたエネルギーを切り口とした付加価値を提供し、スマート社会に貢献することです。
東北・新潟地域の未来を創るのは私たち東北電力グループであるという強い使命感のもと、地域とともに成長し、よりよい明日を創ります。
東北電力グループは1951年の設立以来、電気の安定供給を通じて、70年以上もの間、東北・新潟の暮らしを支えてきました。
持続可能な社会の実現、不安定化を増す世界情勢、自然災害の激甚化など、エネルギーを取り巻く環境は大きく変化しています。これからも電気自動車の拡大やAI、データセンターの建設等、電力需要は高まりが予想される中、電力の安定供給とこれらの課題を解決するためにグループ企業一体となって、これまでもこれからもエネルギーの未来に挑み続けます。