24時間365日、電気の安定供給のための電力系統を司る
給電部門の使命は、発電所で生み出された電気を、お客さまへ確実に、安全に、安定的に供給すること。品質の良い安定した電力を輸送・供給するため、発電所、送電線、変電所など膨大な設備で構成される電力系統や電力需給の計画・立案・運用業務を担っています。季節や時間帯などさまざまな要因により刻々と変化する需要と供給のバランスを調整するとともに、万が一突然の自然災害などで停電が発生した場合には電気を迅速に復旧できるよう、24時間365日、常に監視、制御する重要な業務です。
※掲載の仕事内容、役職、所属は取材当時のものです。部門名は取材当時のものと異なる場合があります。
入社理由
高校2年生の時に経験した東日本大震災がきっかけです。震災直後、家の電気だけでなく、街灯や信号機が消え、強い余震が続く中で夜を迎え、電気のない状況はとても不安でした。住んでいた地域は震災後一週間が過ぎた頃に停電が解消され、灯がついただけで安心できたことを今でも鮮明に覚えています。この経験が電力の安定供給を支える仕事に就きたいと思うきっかけになり、同じ研究室の先輩から職業環境について話を聞く中で、入社を決めました。
現在の仕事とやりがい
系統給電指令所で、東北6県および新潟県の当社供給エリアの15万4千ボルトから50万ボルトの電力系統の運用業務に携わっています。具体的な業務は、調相設備や発電機の進相・遅相運転制御による当社系統全体の電圧調整や、作業に伴う送電線や変圧器等の機器停止・復旧に関わる給電指令、系統事故時の復旧方針策定と復旧に向けた指令です。系統電圧は、季節や時間、需要や再生可能エネルギーなどの電源の状況で時々刻々と変化します。そのため、調節方法を考えて調相設備などを運用し、うまく調整できたときに達成感を覚えます。また、系統事故時は、緊迫感を持ち状況確認し復旧方針立案のうえ的確に対応できたとき、電力の安定供給を支える一員として働いていることが実感でき、やりがいを感じます。
印象的なエピソード
夏場の系統事故対応が印象に残っています。系統給電指令所に転勤して間もない頃、雷事故が頻発した日がありました。系統事故が発生した場合、通常の系統運用・操作対応のほかに、事故状況の正確な把握、復旧方針の確立・実施、事故記録を作成しなければいけません。その日は、同じ地域で30分おきに雷事故が発生し、事故記録を完成させた直後に、次の事故が発生するという連続の中で各所と連絡を取り合いながら対応しました。この経験が、天候が電力系統へ与える状況や事故時の対処方法を理解する良い機会となり、日々の業務に生きています。
東北電力ネットワークは
こんな会社
入社してみて当社は、まさに縁の下の力持ち的な会社だということを実感しました。普段何気なく使っている電気が、入社前に想像していたよりもたくさんの部門の方々によって日夜支えられています。停電の時に注目されがちではありますが、社会の日常を支えていると実感できるところが電気を送る当社の魅力です。社内教育も充実しており、現場の設備を模擬した機器を配備した研修センターでは、実際の現場さながらの環境のなかで確かな知識を身につけて業務にあたることができます。
旅行が趣味で、今までで一番印象に残っている観光地は、岩手と秋田の県境にある八幡平のドラゴンアイです。雪解け時期の限られた瞬間にしか見ることができない光景で、片道20分ほど雪道を歩き到達した瞬間、日本にいると思えない景色を見ることができます。今度は滝が氷結した「氷瀑」を見に行きたいです。
08:40
出社、メールチェック、
引継ぎ(操作・作業予定、系統状況を把握)
17:05
引継ぎ(操作・作業予定、系統状況を引継ぐ)
成長できたと思うこと
系統給電指令所に異動する前は、電力センター変電課と制御所で業務をしていました。電力センター変電課では、変電所の巡視や機器点検・修繕を行い、さまざまな機器について知識を深めることができました。次に配属された制御所では、電力系統を構成する機器の操作や、事故発生時にネットワークから事故設備を切り離す保護リレー装置の運用にも携わりました。まだまだ知識や経験は足りないものの、現在の職場において、機器や保護リレー装置の応動などをイメージしながら仕事ができているのは、電力センター変電課や制御所での経験があったからだと思っています。
今後の目標
事故対応について、復旧方針などをチーム内で率先して立案することに挑戦したいです。事故発生時、停電時間を最小とすべく、短い時間で正確に設備情報を把握し、復旧に向けて対応することが求められます。突然事故が発生することで緊張し、復旧方針の立案など先輩方の指示を待って行動してしまうことが多いと感じています。事故想定訓練の機会や経験豊富な先輩方から学ぶことで、事故対応の中心となり進めていけるよう成長したいです。系統給電指令所には系統運用するグループのほかにも、作業停止の計画をするグループや作業停止等を含め安定運用に向けた対策を検討するグループ、事故発生時に事故設備を確実に除去する装置の設定値を検討するグループがあります。今は系統運用を担当しており、東北6県と新潟の系統を学んでいる最中ですが、まずは現在の仕事で視野を広げ、さらなる向上を目指していきたいです。
心強い女性社員のネットワーク
入社してからもたくさん勉強することがありますが、資格取得補助や社内の専門教育がとても充実しています。私は弱電系出身ですが、社内教育を通して知識を高めることができました。最近は女性社員も増え、同じ部門の女性社員との意見交換会や部署を超えた交流などを通し、業務外においても相談できる環境が醸成されています。当社に興味がある方は、是非チャレンジしてほしいです。
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