電気を安定してお客さまにお届けするために必要な送電線は、鉄塔用地や上空に電線を張る権利が無ければ建設することができません。用地部門は、電力ネットワーク設備の建設・維持保全に必要な諸権利を期限までに適正な価格で取得する業務と、取得した諸権利を適切に管理する業務を担っています。用地業務が電気事業に果たす役割は大きく、電気の安定供給を土台から支える重要な業務です。
電力ネットワーク設備の建設に際しては、社会における多様な価値観や権利意識に配慮し、地域の方々とのきめ細かに合意を形成することが必要です。また、環境アセスメントや景観保護など、自然環境保護に関する配慮・対応も重要です。このように用地業務では、幅広い専門知識や関係者との対応・諸調整に必要なコミュニケーション能力はもちろんのこと、判断力や課題解決力が要求されます。当部門では、法的専門知識や高いコミュニケーション能力を備え、地域の方々との信頼関係を築くことのできる人材を育成しています。
今後、用地部門では、カーボンニュートラルの実現に向けて、エリア間をつなぐ大規模送電線の建設や、再生可能エネルギー電源のアクセス送電線の建設・増強など、多くのプロジェクトに対して地域対応のトップバッターとして社会に貢献していきます。また、最新技術の活用や効率的な土地取得・管理手法の実践、資産の新たな活用等により、基盤事業(送配電事業)の効率化と東北電力グループが目指すスマート社会の実現に挑戦していきます。
より適正・効率的な用地業務のために
私は学生時代に法律学を学びましたが、電力会社は業務の幅が広く、営業・経理・総務などの部門に加えて、用地部門や国際的に活躍している部門など、いろいろなことにチャレンジできるという点に魅力を感じ、入社を決めました。用地業務は、民法などの法律と深く関係があるほか、税務・会計の知識やプレゼンテーションのスキルなど、多様な能力を要求されるため、様々な方が学んできたことを活かしやすい業務です。今は用地部門のシステム担当として、適正かつ効率的に業務を進められる環境づくりに尽力しています。仕事をする上で心掛けていることは、客観的な視点での事実確認です。特に現在の業務では自分の分析や判断が部門全体に与える影響が大きいため、事実確認を意識的に行うようにしています。 |
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キャリアサマリー
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システム担当として保守や業務効率化に従事
本社用地部では、部門全体の業務計画・管理や支社等からの相談・問い合わせへの対応など、現場業務を支える仕事をしています。私はシステムの担当者として、システム面からさまざまな用地業務をサポートしています。この業務には二つの側面があると思っており、一つはシステムを障害なく保守運用していくこと。もう一つは、より業務の適正化・効率化に資するシステムを提案・開発することです。どちらも欠かすことのできないものであり、そのためには時事や法改正に関する情報を収集し、他部門の制度・システム変更に対して要望を出すなど、社内外の動向に注意し、いち早く対応することが求められます。将来的には、会社が変革していく方向性に合わせて新技術の導入やツールの開発などを行い、システム面で用地業務の適正化・効率化に貢献できるよう、知識や実行力を身に付けていきたいと考えています。 |
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初めて自分が主体となった土地所有者との対応。相手の立場に立つことの大切さ
最も印象に残っているのは、新潟県の事業所で初めて自分が主体となって挑戦した土地所有者対応です。上長から助言をもらいながらの対応ではありましたが、やはり最初は心細く不安でした。想定される質問への回答確認や、綿密なスケジュール調整等、非常に細かいところまで準備したのを覚えています。結果的に対応はおおむねうまくいき、苦労した分喜びもひとしおでした。この経験を経て、相手の立場に立って物事を考えられるようになったと感じます。土地所有者の方によってはご自分の土地の範囲や権利を十分に把握していないことや、対応内容に法規制や税務など難解な内容が関係することもあります。このような場合には前もって分かりやすい資料を準備しておくなど、相手の立場に立って行動することが大切だと学びました。土地所有者対応の現場を離れた今も、社外の方と話す際はもちろん、社員に対して説明する際は、より理解してもらいやすい順番・内容・深さで、伝えることを意識しています。 |
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会社の変革に若い力は不可欠
当社の事業を取り巻く環境は、ここ数年で大きく変化しています。これまでは「当社=電力会社」という認識で良かったかもしれませんが、これからはどんどん新しい事業にも挑戦していくことになると思います。そのためには、さまざまな価値観や、強みを持った若い皆さんの力が不可欠です。ぜひ当社に興味を持っていただけると嬉しいです。 |